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防府薬剤師会のあゆみ

〈 その5 〉

松村薬局 松村 敏輔

 永年の分業に対する意識高揚型運動から愈々実戦的活動にふみ込む契機になったのが当時の進駐軍本部のサムス准将の一言「この国では医者が薬を売って〇〇けている。これはおかしい。」この発言が報道されたことは全国の薬剤師にとって百万の味方を得た気持ちで意気盛んとなる。日薬も全機能をあげて之に取り組みマスコミにも取り上げられる様になった。

 そんな折NHKが一般人を対象に日比谷公会堂に於いて分業に対する公開討論会を開催、全国放送された。壇上では時の日薬会長 高野一夫(東大薬)かたや日医会長 武見太郎(慶大医)御両人の所見発表はなかなか熱のこもったものであった。それからが大変である。聴衆席より両陣営の応援者の意見、質問の続出、中には在日外国人も混ざり大激論。会場全体が騒然となり司会のNHKキャスターの困却も大変でやっとの思いで閉会されたと推察致します。

 以後NHKによるこの問題への討論会は二度と行われることはありませんでした。そんな緊張の続く中、ようやく国会で分業法案が審議されるという見通しがついた時点で全国薬剤師総決起大会が東京で開催されることになり、(たしか共立公堂であった様に思います)山口県でも各支部に割当てがあり、防府支部よりは渋谷会長と若手三人(藤本(故)、笹井、松村)の四人が参加した。会場は白衣に白鉢巻の、全国よりの薬剤師で溢れ熱気に満ちたものでした。こんなことを思いだします。議長につかれた方が入れ歯のため言葉が多少聞き取りにくいかなと思ったとたんに会場の数ヶ所より議長を替えろとの怒鳴り声が飛び出し、やむを得ず交代された事を覚えております。それ程殺気立った会場の空気でした。

 翌日は各県選出の国会議員への陳情が予定されており我々は山口県選出の田中(自)、細迫(社)両先生を議員会館に出向き陳情致しました。手応え?役者の違いを後で感じただけ、最後は白衣白鉢巻姿での座り込みデモです。我々の場所は三宅坂付近の石碑の前の空き地であったように思います。夕闇迫るまで数十名で座り込みを続けた事を思い出します。それにしても残念な事に骨抜き法と呼ばれる結果に終わった事は残念の限りでありました。

広報誌「清流」第46号(1999.9.30)より)

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