○吉岡 宏、皆元 仁美、三道 育世、佐藤 洋平、渡辺 太朗、山田 純一朗、松井 都世子、白野 陽正
【はじめに】
(社)防府薬剤師会は会員数約170名、その構成は保薬・病薬・行政・卸と多岐にわたる。広報委員会では、会からの情報伝達及び会員間の情報交換の活性化、また地域住民に向けたより良い情報提供づくりを目的に活動を行ってきた。今回、広報委員会における活動の経緯と今後の展望について報告する。
【活動経緯】
1.会報誌の発行
会員との相互理解を深めるため、1990年から会報誌「清流」を年5回発行し、現在第76号に至る。
その間、2回にわたりアンケート調査を行った。
調査時期:1994年2月(1回目), 1999年1月(2回目)
調査対象:防府薬剤師会会員115名(1回目) 回収94名 回収率81.7%
150名(2回目) 回収127名回収率84.7%
調査項目:会報誌の内容・会の活動について
<会報誌の内容について >
1回目の調査:おおむね好評であった。しかし、定例理事会等の内容を詳しく知りたいという意見が多かった。このため、もっと詳細に読みやすく掲載できるように改良した。
会報誌の改良点:サイズ改良(B5版→A4版)、 コピーから印刷へ、表紙作成、「漢方の基礎」連載開始、
「防府薬剤師会のあゆみ」連載開始
2回目の調査:改良の効果もあり「現状のままで可」との意見が増えた。
<会の活動について>
2回の調査とも約6割の会員が会の事業について知らなかった。
会の活動に対する関心度については、2回の調査であまり変化が見られなかった。会員一人ひとりが会の活動に参加し、会の一員であるという意識を持つような事業を展開していかなければならない 。そこで、広報委員会ではより会の活動を伝えるために、インターネットなど、電子媒体の利用を検討した。
2.ホームページ・メーリングリストの開設
会の活動を伝える手段の一つとして1999年にホームページを開設した。
また新しい情報交換の手段を探すため、2000年にパソコン・インターネットの調査を行った。
調査時期:2000年4月
調査対象:防府薬剤師会員156名 回収109名 回収率66.9%
調査項目:パソコン所有の有無・利用方法インターネットへの接続の無等
<パソコンの利用状況について>
会員の約9割がパソコンを所有。うち約6割がインターネット接続可能。利用方法としてはメールが一番多かった。会報誌やホームページでは、会からの情報発信のみで、会員の意見がはねかえってこないのが現状であった。そこで、会員が積極的に参加できる環境づくりとして2001年メーリングリストを立ち上げた。
メーリングリスト参加人数:28名(2005年10月現在)
メーリングリストを利用した意見交換の成果の一例
「ダイアモックスRとアスパラKRのPTP包装が類似している」ことに関して議論があり、これは会の意見としてメーカーへ提出し、結果的に改善された。
ホームページ・メーリングリストの活用により会からの情報伝達及び会員間の情報交換に関しては一定の成果が得られた。次の課題として、会員間だけでなく地域住民に向けた情報提供をすすめていくことを検討した。
3.地域住民に向けての広報活動
地域住民に向けた広報活動はホームページのみに留まっていた。地域住民のお薬手帳やかかりつけ薬局の関心度・認知度等を把握し、今後の広報活動に活かすため、アンケート調査を行った。
調査時期:2004年2月
調査対象:支部の各薬局・薬店(55店舗)に来られた患者(総数542人)
調査項目:お薬手帳・かかりつけ薬局について等
<お薬手帳について>
知っている人は8割以上と多かったが、実際に利用している人は半分程度であった。
<かかりつけ薬局について>
約7割が決めていたが、うち約5割が「病院の近くだから」という理由であった。これは、かかりつけ薬局と門前薬局とを混同しているように思われた。
以上のことから、お薬手帳・かかりつけ薬局については、その意味と利用方法を理解してもらえるような啓蒙活動が必要と考えられた。
【今後の展望】
○会報誌
新たな連載を増やして、より会の活動を伝えるような紙面づくりに努めたい。
○ホームページ
会員・地域住民に向けた情報の発信源として内容の充実を図りたい。
○メーリングリスト
携帯電話の利用が可能になったので、参加人数を増やし、より活発な意見交換を行いたい。
○その他
支部内での印刷物・ローカルラジオ等を用いて、会の活動やお薬手帳の利用方法を伝え、地域住民に対する啓蒙活動を行いたい。
これらの活動を通じて、会及び会員全体の発展・向上、また地域住民に信頼される薬剤師を目指すための支援をしていきたいと思っている。