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支部における保険薬局委員会の活動報告おくすり手帳の発行と普及活動について


学会活動報告

支部における保険薬局委員会の活動報告
おくすり手帳の発行と普及活動について

(社)防府薬剤師会 保険薬局委員会:○深田 良裕(会営国分寺薬局) 河村 泰輔(カワムラ薬局) 蔵田 邦彦(蔵田薬局) 西山 浩司(めばえ薬局) 松浦 泰子(ブルークロス) 山内 裕之(山内漢方薬局) 木村 紘明(三田尻薬局) 

<場所・日時> 第36回日本薬剤師会学術大会(福岡) 平成15年10月12日(日)

【はじめに】防府薬剤師会保険薬局委員会では保険薬局の資質の向上・業務の円滑化を進めるための活動の1つとしておくすり手帳を発行しているが、より使いやすい内容とするためにアンケート調査を実施し2002年7月に新しいおくすり手帳を発行した。それから1年が経ち再び手帳の使用状況をアンケート調査したのでその結果を報告する。

【調査方法】調査期間:2002年6月28日~7月8日      調査対象:防府支部内の全保険薬局(45薬局)
調査内容:おくすり手帳の使用状況、ページ数、紙質、重複投与・副作用・相互作用の防止事例など。

【結果】アンケート総数:45枚  回収:45枚  回収率:100%
●おくすり手帳の使用率
防府薬剤師会のおくすり手帳を使用している 89%
他のおくすり手帳を使用している 11%

●防府薬剤師会のおくすり手帳について
①ページ数について               ②紙質について

アンケート

前回:32ページ  今回:48ページ       前回:薄茶色の紙を使用 今回:上質紙を使用
③おぼえがきに記入しているか          ④おぼえがきの記入をしているか
主に薬局が記入している  :28.2%       説明している  :42.1% 
主に患者本人が記入している:38.5%       説明していない :57.9%
記入していない      :33.3%

【実例】       
①重複投与における処方医薬品

重複投与における処方医薬品

②相互作用について
処方薬 併用薬 相互作用 区分
イトラコナゾール トリアゾラム トリアゾラムの血中濃度上昇 併用禁忌
イソプレナリン エフェドリン 心停止の恐れあり 併用禁忌
マクロライド系抗生物 テオフィリン テオフィリンの血中濃度上昇 併用注意
SM散?(Mg剤) セフニジル セフニジルの吸収阻害 併用注意
ニューキノロン系抗菌剤 アドソルビン ニューキノロン系抗菌剤の吸収阻害 併用注意

③投与禁忌の例
● 緑内障の患者に泌尿器科よりポラキス、内科よりPLが処方。
● 内科に通院中の喘息患者が手足の震えのため外科よりアルマール?が処方。
● 前立腺肥大の患者に風邪薬、胃薬、抗アレルギー剤が処方。
【考察】
● 前回のアンケート調査後改訂されたお薬手帳の仕様についてはほぼ満足しているという結果が得られた。
● おくすり手帳を活用することにより薬の相互作用、禁忌、重複投与などが防止できることが実例としてえられ、おくすり手帳の必要性は高いと考えられる。しかしながら、おくすり手帳の説明をしていないと答えた薬局が約6割あり、より有効に使用していくためにも、もっと説明をしていく必要があると思われる。
● 支部独自でおくすり手帳を発行することのメリットは、会員の声(患者さんの声)を取り入れて細かく改良することが出来ることだと思われる。そのメリットを取り入れたおくすり手帳のより高い普及を図りたい。おくすり手帳を活用することにより手帳の必要性を患者さんに理解していただき薬を安全に使用できるように役立てていきたい。

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